「論理回路」とは大袈裟な名前だと思った。
この場合の論理とは、高校で習ったブール代数のことだった。
AND(論理積)とOR(論理和)とNOT(否定)という論理演算をパズルのように組み合わせればどのような入出力も作り出すことができた。
実習はTTLという論理回路を使って様々な入出力表を実装した。
ブレッドボードというボードにTTL回路を差込み、ケーブルでつないでLEDを指定された通り光らせたりした。
ブレッドボードには最初から無数の穴が穿ってあり、いちいち半田付けする必要はなく、簡単に回路を作ったり壊したりできた。
レゴブロックの要領だ。
この実習は大変面白く、与えられた課題を次から次へこなしていった。
Z80というマイコンのアセンブラ言語を学んだ。
アセンブラはマシン語にとても近い言語。
だから、コンピュータがどう動くかの原理が理解できる。
実習ではプログラムを作成する前にフローチャートを書くことが義務付けられていた。
ただ、フローチャートを書くのは面倒くさいので、プログラムを作りながら試行錯誤した方が早いと思っていた。
実際ほとんどのフローチャートはプログラムを書いた後で書いた。
でも時々テンプレートを手早く使い、長いフローチャートを書くのは楽しかった。
今考えるとハードとソフトの極めて重要な基礎を教えてもらっていた。