他にやることも無いので、ハローワークへ行って求人票を眺めた。
そこで少々変った求人を見た。
求人条件自体は、C/JAVA等のプログラムができる というなもの。90年代後半の地方の事だから、JAVAいう単語が珍しかった。
さらに事業内容が変わっていた。「インターネットプロバイダのフランチャイズ展開と焼却炉の製造・販売」
関連が無さすぎるというか、胡散臭いというか。
当時、焼却炉は地方のホームセンターでは売れ線の商品。
インターネットと焼却炉、どちらも金になりそうな雰囲気がある。経営者は先見の明があると思った。
インターネットプロバイダを一目見てみたいと考え面接を申し込んだ。
訪ねて行くと、会社の外観は倉庫に見えた。
応対してくれたのは、40歳くらいの普通のおっさんだった。
中に入って倉庫の一角の休憩所のようなところに古いダイニングテーブルがあり、そこで掛けて待つよう言われた。
おっさんは奥の扉を開けてなにやらごそごそ奥で誰かと喋った後戻ってきた。
おっさんは、近くの事務机に座って新聞を読み始めた。
周りを観察すると、冷蔵庫・給湯器・湯のみ。やけに生活感があるが、人の気配がない。タイムレコーダがあるので、ここが職場には違いない。
おっさんの事務机の下に埃だらけのパソコンがあった。あれ一台でインターネットのプロバイダというのは商売できるんだろうか?まさか?
冷蔵庫の上にパンフレットがある。確かにインターネットプロバイダのパンフレットだ。