ソーク博士のことを考えると涙が出る

小児麻痺(ポリオ)は五歳以下の子供がかかりやすい病気で、手や足に麻痺が現れ、一生麻痺が残ることがある病気でした。
昭和三十年代の日本では年間で五千人以上の患者が発生したことがありました。

縄文自体の遺跡から小児麻痺を患ったと思われる人骨が発見されたことがあります。
おそらく親が大切に介護して育てたのだろうと考えられました。子を想う親の気持ちは太古から変わらないのです。
そして大昔から子供たちは小児麻痺に苦しめられてきたことがわかります。
しかし今では小児麻痺はほとんど根絶されました。
突然何が起きたのでしょうか?どんな奇跡があったのでしょうか?
じつは今から六十年以上前のアメリカで世界中の子供たちをポリオから救った偉人がいたのです。
彼の名はジョナス・ソーク。
ソーク博士はポリオ・ワクチンを開発しました。博士の開発したワクチンは大変な効き目でした。おかげで小児麻痺の患者は激減。
ついには世界中でもわずか数か国を除いてほとんどの地域で小児麻痺は根絶されたのです。

博士はポリオ・ワクチン開発に際して特許を取りませんでした。もしポリオ・ワクチンの特許を取っていたら博士は莫大な利益を得ていたはずですがそうしませんでした。
後にテレビのインタビューで「何故ワクチンの特許を取らなかったのですか?」と聞かれた博士はこう答えました。
「太陽に特許は存在しないでしょう」
自分の発見は個人の利益のためでなく、太陽のように人類全ての恩恵となるべきであると言いたかったのです。

博士は早くワクチンを子供たちの元に届けることしか考えていませんでした。
ソーク博士の気高い行為を思うと、胸打たれます。そしてこう思い知らされます。

人を救うのは神様などではなく人なのだと。

ソーク博士

ありがとう。ソーク博士。