サン・マイクロシステムズのスローガン「The Network is The Computer」は先進的だった。先進的すぎて当時は意味が全くわからなかった。「ネットワークはコンピュータ」って意味不明だった。逆立ちしたってネットワークはコンピュータにはならない。いつまでたっても針金だワイヤーだと思っていた。
でもそうではなかった。このスローガンは正しかった。クラウドの登場を予見していたのだ。スタンドアロンではなくネットワークで連携して処理するという行為、それ自体が巨大なコンピューティングであると言いたかったのだ。素晴らしい先見性である。ただ、それがサン・マイクロの商売には結びついていそうになかった。
Javaを開発して多くの支持を集めてもそれで商売することはしなかった。創業者自身にハッカー的な気質があり金儲けよりもコミュニティの評価を重んじているようにも見えた。それもあってサン・マイクロシステムズは好きだったし、何よりそのロゴや配色のセンスの良さはずば抜けていた。
ネクストは言わずとしれたジョブスが作ったワークステーションの会社だ。NextStepというOSがやがてMacOSやiPhoneに受け継がれていった。このロゴをデザインしたポール・ランドは他にIBMやUPSのロゴもデザインしている大物である。
シリコングラフィックはその名の通りコンピュータグラフィックが得意なワークステーションを製造していた。ハリウッド映画のCGの制作に使われていたし、初代ジュラシックパークでは映画の中にシリコングラフィックが登場している。
よく考えたらこの3つのロゴはすべてUNIX系のワークステーションメーカーのものである。ワークステーションというのはロゴに気を使うようなブランド品のような性質があったということだろう。