世界がシミュレーションなのか、そうでないのか はその構成要素である我々には証明も反証もできない。
なら考えてムダだよね。
世界がプログラムだったとしたらどのような言語で記述してあるのか? 答えはPerlだというハッカーのジョークがある。
プログラマが神様に「世界を記述するのに何を使われたのですか? LISPですか?」と聞く。
神様は「Perlだ(最近だとPython)」と答える。
神様はLISPという高尚で難解な言語ではなく、Perlのような野暮ったいが実用的な言語を使っているというところが笑える点だ。
そしてこの世界がコンピューターシミュレーションだったなら、開発者(神)が「隠しメッセージ」を残していてもおかしくはないというアィディアがある。天文学者カール・セーガンの小説「コンタクト」では無限に続く円周率のはるか先に開発者からのメッセージが仕込まれている。
科学は占星術から起こった。天体の観測が科学的な考え方につながり、中世の迷信を打ち破った。「カッコウはコンピュータに卵を産む」という初期のハッカー事件を扱った小説の作者も天文学者である。
空を見上げて観察するというのは科学の発展には有益なのだ。
そこには規則があり、物理法則がある。それを発見することで「この世はでたらめではない」ことが分かり科学の発展が進んだ。そしてこの物理法則は「宇宙のどこでも成り立つ」ことが分かっている。当たり前のようだが、実はそれ自体が驚くべきことだ。カール・セーガンは著書「スコスモス」で「物理法則がどこでも成り立つとは限らない宇宙もあり得たのに、この世界はそうはなっていない」という素直な驚きを我々に教えてくれた。
まさに物理法則が宇宙のどこでも成り立つという原理(等価原理という)こそが神様からの隠しメッセージとも思える。実際に我々はそのメッセージによって科学を発展さてきた。迷信と専制を打ち破り、平均寿命を伸ばし、宇宙にロケットを飛ばすようになったのだから。