アレクサンドリアの図書館

はるか紀元前の大昔にアレクサンドリアという変わった名前の都市に大きな図書館があった。
そこには多くの貴重な本があり、優秀な研究者達が議論を繰り返していた。
有名なユークリッドもそんな研究者の一人だった。
彼の名が冠されたユークリッド幾何学は2300年の間数学の最も重要な書物の一つであり続けた。
そしてケプラー、ニュートン、アインシュタインが科学に興味を持ったきっかけとなった。
だがアレクサンドリアの図書館は存在しない。4世紀ごろキリスト教徒により完全に破壊されたからだ。アレクサンドリアの図書館
図書館にいた最後の研究者は美しい女性だった。残酷にも暴徒に貝殻で体を切り裂かれて殺されてしまった。彼女を切り裂いた教区の司祭は後に聖人に祭り上げられた。
アレクサンドリアにあった本はユークリッド幾何学のような例外を残して殆ど失われてしまった。当時世界で最も進んでいた貴重な知識は再発見を待つ必要があったし、一部は永久に失われてしまった。
この図書館の破壊で人類の進歩は1000年以上遅れた可能性がある。
もしもこの蛮行がなかったら、今ごろ人類はどんな時代を生きていたのだろうか。環境問題、食料問題を解決して、不治の病の特効薬や不老長寿をも手にしていたかもしれない。
中世に生きた庶民の悲惨な生活を我々が哀れむように、現代に生きる我々が哀れに感じるような幸せな未来があったかもしれない