アクセスサーバとは何だ?

アクセスサーバ(Remote Access Server(リモートアクセスサーバ)の略でRASとも呼ばれる。Network Access Server:NASと呼ぶ場合もあったが、現在ではNASといえばNetwork Attached Storageを指す。)は一言で言えば、ダイヤルアップでインターネットした時代に存在したTAとモデムを大量に内臓した通信機器。
ユーザがモデムやTAで電話回線を使ってダイヤルアップ接続を行うとアクセスサーバが接続を受けてユーザにIPアドレスやDNSなどの情報を渡してインターネットへの接続を提供することになる。
当時のプロバイダのアクセスポイントにはアクセスサーバが設置され、大量の電話回線が引き込まれていた。

接続図

(図ではインターネットへの接続が省略化して書かれている。実際は各APからそれぞれのISP(インターネットサービスプロバイダ)のNOC(ネットワークオペレーションセンター)という中央基地のような場所に接続を集めておいて、上位のプロバイダ(ほとんどはNTT/KDD/日本テレコムのようなキャリア)へ接続している。)

最初の仕事は大変出来の悪いアクセスサーバの監視作業だった。
監視といってもかなり乱暴な方法だった。
TELNETでアクセスサーバにログインして、ハングアップしていたらリブートするだけだ。
リブート

(図ではインターネットへの接続が省略化して書かれている。実際は各APからそれぞれのISP(インターネットサービスプロバイダ)のNOC(ネットワークオペレーションセンター)という中央基地のような場所に接続を集めておいて、上位のプロバイダ(ほとんどはNTT/KDD/日本テレコムのようなキャリア)へ接続している。)

最初の仕事は大変出来の悪いアクセスサーバの監視作業だった。
監視といってもかなり乱暴な方法だった。
TELNETでアクセスサーバにログインして、ハングアップしていたらリブートするだけだ。
その後アクセスサーバは様々な機種を扱った。

アクセスサーバ色々

MAX
米アセンドコミュニケーションズ(後に米ルーセント・テクノロジーに買収される)社製。

MAX

見た目はラックマウントタイプ(コンピュータは殆どの場合、ラックというロッカーのような金属製の箱にネジで固定する。このラックに固定できるコンピュータをラックマウントタイプと呼ぶ。)の黒いサーバに見える。
ただしサーバ(何かのサービスを提供してくれるコンピュータ。レーサーやディーラーのように「サービス」の「er」系。でサーバー。特にコンピュータの種類を特定する言葉ではないのでノートパソコンでも何かのサービスを他社に提供していたらそれはサーバとなる。この場合のサービスとはコンピュータ上のサービスのことを指す)とは異なりCDやフロッピーは無く、キーボード・マウスを接続するポートも無い。
パソコンからシリアルケーブルで接続してキャラクターユーザインターフェース(略称CUI。文字ばかりの画面。マウスが使えない。WindowsなどはGUI:グラフィックユーザインターフェースである)のコンソール(シリアル接続したCUI画面のこと)を使って初期設定を行う。
APに設置した後はTelnetで接続して接続状況などを確認する。
コンソール画面はキャラクターベースだがメニューを使用した疑似ウィンドウ方式でコマンドを覚える必要がなかった。
扱ったアクセスサーバの中で一番信頼性が高かった。
MAXコンソール

3Com Total Control
見た目が現在のブレードサーバにそっくりの米USロボティクス(後に米3COMに買収される。社名がSF)社製アクセスサーバ。
CPUカード・通信カード等を用途や回線数に応じてシャーシに差していく。考え方もブレードサーバそのもの。
CPUカードにLEDで任意のメッセージを表示することができた。
「死にかけ」のイタズラで「Error!」と表示されるよう設定されたTotalControlを、出張先で設置した際は何故エラーなのか分らずパニックになった。

トータルコントロール

SuperStackII

米3COM社製。(様々な企業を買収したアメリカのネットワーク機器メーカ。後に凋落の一途を辿る。DSLや光ファイバの登場によりモデムやアクセスサーバ市場は縮小し、ルータやスイッチではシスコに勝てず、日用品となったネットワークカードでもシェアを失っていくことになる。)
見た目はL2スイッチ(賢いHUBのこと。HUBはニュースでよく聞くハブ空港のハブ。もしくは自転車のハブ。何かの中心。コンピュータのハブはコンピュータからLANケーブルを引っ張ってきて接続する。ハブに接続すれば他のコンピュータとも接続できるようになる。見た目は小さなお弁当箱)。
見た目がそっくり同じなHubやスイッチ、ルータ、電源モジュールがシリーズ化されていた。
名前の通り筺体を重ねる(スタック)することで接続数や必要な機能を増やすことができた。
重ねた筐体同士を接続するケーブルに当時最新のFireWire(シリアル通信の規格のこと。今で言うIEEE1394。後にも先にもIEEE1394をスタックケーブルに使用するネットワーク機器はこの機械以外見たことが無い)を使用していた。

SS2
このSniffer機能に助けられたことがあった。
当時は回線が今では考えられないくらい狭く(僕の入ったプロバイダは当時でもひどい通信環境だった)。
ひどい場合は1つのアクセスポイントで500kbpsの通信回線を20~30人くらいで分け合っている状態だった。そんな時に回線を長時間独占しているユーザがいて困ったことがあった。1人あたりの回線使用量を取り決めているわけではないので、回線を独占していても文句は言えない。ただ何故回線を独占しているのか理由が分からない。WEBの閲覧やメールのやりとりは使っている本人はずっとインターネットに接続しているつもりでも回線的には一時的な使用にすぎず殆どの時間は回線は空いている。長時間回線を独占するにはFTPくらいしかない(当時はストリーミングは無かった)
そこでSuperStackⅡのSniffer機能で通信内容を分析すると違法なMP3ファイルをFTPでやりとりしていた。
やんわりそれを指摘するメールを出して回線の独占をやめてもらうことができた。